本展示についてご提出いただいた展示物実施報告書から、4館の活用例を抜粋して共有いたします。
■展示期間 2023年4月15日(土)~6月30日(金)
■展示物に対する入場者の反響
親子連れの来館者が熱心に展示を読んでいる様子をよく見かけました。
展示のワークシートやかるた一覧表を持ち帰る来館者も多くいました。
■展示物に対する意見・感想
科学館として、「SDGS」をテーマにした展示を考えておりましたが、どのようにまとめていけばよいか分からず、今回巡回展示があって、大変助かりました。
かるた形式になっており、短文で読みやすい反面、たくさんの読み札があるため、散在的になっていて、興味が持続しないお子さんもいたかと思います。
当館が携わっている団体で、市内の川の水質調査を行い、水の大切や水を取り巻く環境を守っていくことの大切さを学ぶ団体があります(対象:小学4~6年生)。
展示期間中、その団体さんの活動日があったので、この展示のかるたを使って、SDGSについて学んでもらいました。
団体さんが行っている水質調査等の本質とSGDSが関連している部分もあり、参加児童の学びにつながったのではないかと思っています。
■展示配置イメージ
■展示状況写真
■展示期間 2023年4月18日(火)~6月18日(日)
■展示物に対する入場者の反響
・私たちの暮らしと地球の資源や生態系、さまざまな人々の関わりを 「かるた」の絵札と読札形式のパネルで、楽しくわかりやすく 紹介し 、 理解していただいた。
・「非常に良かった」「良かった」「あまり良くなかった」「悪かった」の4択でアンケートをとった結果は、回答者 12 名中 6 名が「非常に良かった」、 5 名が「良かった」で、肯定的回答 がほ とんど で あ った。主なコメントは以下の通り。
・SGDsが分かりやすくて良かった。
・ぜひ、かるたを販売してもらいたい 。
■その他意見・感想など
巡回展「かるたでよみとくわたしと世界のつながり」の開催に関連して、児童生徒の科学に対する興味関心の醸成を目的に、 命を守る防災教育と SGDs に関する講演会を6月11日(日)に開催した。
県内の大学 で 社会心理学を研究している大学 教授 を講師に 招聘し、 防災おはなし会 「 身近な防災 いのちを守る! またいつ起こるかわからない災害。防災ゲーム「クロスロード」と SGDs でいのちを守り安心してくらせる社会を考えよう! !~」と題して、 防災ゲーム「クロスロード」を用いたクイズ形式のおはなし と、SGDsに関する普及講演を行った。
午前と午後の2講演で児童2 1 名、保護者 2 3 名、合計 4 4 名の方に参加いただいた。
アンケートの結果、児童は「よくわかった 11 名」「だいたいわかった 7 名」「 むずかしかった 2 名」の回答。保護者は「よくわかった 16 名」「だいたいわかった 4名」の回答で、大人からも好評をいただいた。
パネル展は文字とイラスト・ 写真 及び実物としてのかるた による展示なので、このような クイズ を交えた おはなし 会を開催することで、参加者には リアルな体験として防災対策や SGDs について理解を深めていただいた。
■展示配置イメージ
■展示状況写真
■展示期間 2023年7月15日(土)~8月31日(木)
■展示物に対する入場者の反響
「ゴミであそぼう!ぐるぐるタウン」夏休みイベントのひとつとして、「かるたでよみとく~」を4階展示室に展示した。
1階および3階展示室にて、実際にゴミをアップサイクルした工作や実験を体験した来館者が、4階へと足を進めて本展示をご覧になっていた。
ゴミをテーマにしたイベントの中で、身近なゴミで出来る楽しい活用の体験がスタートにあり(1階および3階展示室で体験)、最後に4階で行った本展示に誘導することで、地球規模の環境問題や地球資源の問題についてマクロな視点で考えられたようだ。
「自由研究の参考にしたい」「自由研究のテーマで環境問題について考えようと思っている」と話してくれた来館者もいた。
■展示物に対する意見・感想
来館者から付箋紙で意見や感想を書いてもらい、コーナーの壁面に貼付してもらった。
当館の来館層=低年齢が多いこともあり、なかなか付箋に記載してもらうことが難しかったようだが、それでもひらがなだけで気に入ったかるたを書いていた付箋が数枚あったことが印象的だった。
基本的には展示スペースが無人であったため、」いたずら書きなどが多かったが、有効な(展示に直接的に関係する)付箋は34 枚あり、中でもクマムシに関する記述が多かった。
なお、全体での付箋数は149 枚であったことを付け加える。
■展示配置イメージ
■展示状況写真
■展示期間 2023年12月9日(土)~2024年2月26日(月)
■展示物に対する入場者の反響
展示物は四国西予ジオミュージアム令和5年度冬期巡回展「SDGsと私たちの暮らし」の展示に使用した。地方博物館の冬期の巡回展として実施したため、観覧者数は決して多くなかったが、総じて観覧者は展示内容を楽しんで鑑賞していただけたと感じている。
「SDGs(持続可能な開発目標)クイズボード」については、特に小さなお子様がパネルをめくって答えや解説を見たりしていた。
「かるたでよみとく わたしと世界のつながり」は展示の最後に感想等を付せんに書いて貼ってもらうコーナーを設けたので、その感想のいくつかをこの項目にて報告する。
『あなたが大事だと思った「かるた」はどれ?』に対して
・「む」が大切だと思いました。無関心がどんどん地球を悪くする。そうならないために1人1人がまずは“知る”ことが大切だと思います。
・「そ」:70~80年代に海外の生き物の剥製を買って飾ることが日本ではやりましたが、どれだけの生き物が密猟されたのでしょう?
・「ら」です!モノのライフサイクル、ヒトのライフサイクル、生命のライフサイクル、そして地球のライフサイクル・・・ 未来を想像すればするほど、想像力と行動力がわいてきます!
・「の」です!イラストが可愛かったから。水素は大事。地球に生きている生命は水がイノチ!
『「かるた」や「展示」の感想を何でもいいので教えてね!』に対して
・地元で実践されているSDGsの取り組み等、子供から大人まで一緒に学べる空間で素敵だなと思いました!私のふるさと西予市という場所の尊さを改めて感じました!また帰ってきます。
・地域とSDGsのつながりを分かり易く説明・展示していてSDGsネイティブの今の子どもたちがここから声を上げれば、地域は変わっていけるかも!?と思わせてくれました!!HOPE!!
・ポスターだけでなく、ちゃんとカルタで遊べるのが良いところです。もっといろんな人にこの展示を「体験」してほしいなぁ!
・地球はほとんど海。生命体も水でできている。水の犯罪がイヤ!!エコと人命というなら、みつりょうをSTOP!!
・今ある自然の風景を大切に。サイクリングのスピードなら気づけるものも、知ることがはじめの一歩ですね(自転車ツーリングの絵付き)。
【受付スタッフから見た様子】
企画展を受付からみたお客様の様子は・・畳敷きの上にSDGsかるたを置いていたので、おじいさんとお孫さんが楽しそうにかるたで遊んでいたのが印象的でした。様々な世代が一緒に楽しくSDGsを学べるのは良いことだなと思いました。
また、ご家族で来られたお客様で、展示を見学後ライフすごろくを皆さんで考えて大切に持って帰っておられました。家族で、SDGsについて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
■展示物に対する意見・感想
・「SDGs(持続可能な開発目標)クイズボード」および「かるたでよみとく わたしと世界のつながり」のどちらも、観覧者の方と展示物が双方向的な体験ができるように意図して設計されていることが印象的であった。
多くの巡回展示パネルは自分たちの組織の目的や活動、あるいは伝えたい事象についての説明に終始しがちであると対照的であった。特に「かるたでよみとく わたしと世界のつながり」モーダルシフトやフェアトレードのようなやや抽象的な概念は、おそらく本展示の対象である小学校高学年以上の年齢層でもパッとイメージすることが難しいような事柄であるので、連携協で監修されたような解説映像などがあると、展示にもメリハリが出て良いと考える。
■その他意見・感想など
展示を企画担当した者の反省として、過去に本展示物を展示した様子や他館のパネル巡回展を見ていると、多くの場合は通路の壁など、展示を見学を主目的とするような場所ではないが自然と人が行き交う場所に展示することで通りすがりの人にも興味を持ってみてもらう、ということが多いように感じた。
当館の場合、出入口が一つしかない企画展示室の。当初はSDGsなら色がカラフルで訴求力があってお客様が入っていくと想定おり、実際にそのようなきっかけで見学されるお客様も一部あったが、やはりパネルが中心の静かな空間ではかえって入りずらかったり興味がわかず、素通りされるお客様も多く見られた。巡回展でパネル中心とはいえ、映像展示や目を引く実物資料なども織り交ぜながら展示を構成した方がお客様の関心をより引き付けることができたかもしれない。
また各種媒体への掲載や市内小中学校へのチラシ配布など周知活動はある低緯度行ったものの、本巡回展の見学を主目的として当館へ来館された方は、少なくとも受付で拝見した限りではほとんどいなかった。上述のような担当者の経験不足もあり本展示物の内容を十分に市民の皆さまへ届けられなかったことを次回以降の反省としたい。(学芸員・榊山)
【関連イベントの実施について】
令和6年1月7日(日)に本巡回展の関連イベントとして、愛媛県今治市職員で「SDGs de 地方創生」公認ファシリテーターの住吉淳さまを講師に迎え、「SDGs de 地方創生」カードゲームの体験会を実施した。参加者は12名集まり、地元のジオガイドおよびそのご家族、西予市内在住の地域おこし協力隊やそのOBの方々が参加してくれた。年齢層も上は70代から下は小学校低学年まで幅広く参加してくれた。
参加者の一人である一般社団法人ノヤマカンパニー代表の加藤雄也さんは、「説明を聞いている時は、ルールが複雑だな~、小3の娘には少し難しいかな~と感じましたが、いざゲームが始まると、すぐに要領をつかんで楽しんでやっていました。SDGsの概念を体感的に、楽しみながら学べるツールだと思います。市内の地域づくり組織とかでやってもいいかも。」と述べられていた。講師の住吉さまも本番前に「SDGs(持続可能な開発目標)クイズボード」および「かるたでよみとく わたしと世界のつながり」の展示物を体験した上で臨んで下さり、展示で取り上げていた事柄についてもお話しの中で少し触れていただくなどご配慮いただいた。SDGsの概念は愛媛県西予市においてはまだまだ馴染みが浅く、具体的な取り組みも多くない中で、本展示物の見学とファシリテーターを伴う「SDGs de 地方創生」カードゲームの体験会を合わせることで、SDGsを自分事としてとらえたり、今日の経験を帰ってから誰かに伝えようという意識は、体験会をファシリテーター補助として終始居合わせた立場として、多くの方に芽生えているような印象を受けた。
■展示配置イメージ
■展示状況写真