会長メッセージ「2022年度の開始にあたり」

全国科学館連携協議会の皆様

 

 新年度を迎え、桜前線が北上しつつありますが、皆様の地域の様子はいかがでしょうか。

 二年以上にもわたるコロナ禍の影響で科学館の運営や日常生活が一変された方々も多いと思います。また、平和を脅かす事態が勃発し世界の混迷と将来が見通しにくい状況下で心を痛めている方々も多いかもしれません。加えて、気候変動や海洋マイクロプラスチック汚染、生物多様性の減少など自然環境の変化にも対処するために、全国にひろがる加盟館の皆様におかれましては、それぞれの地域で何をなすべきか悩んでいる方も多いでしょう。

 

 さて、私は日本科学未来館館長を昨年退任しました。文部科学省記者クラブでおこなった退任時のインタビューで、今後は全国の科学館の活性化をお手伝いしたいと報道されたこともあり、皆様から励ましの連絡をいただきありがとうございました。本来であれば皆様とお会いし、科学館のあるべき活動について意見交換を行いたいのですが、残念ながら、昨年度は感染拡大防止の観点から、皆様とはオンライン形式での総会・幹事会でのコミュニケーションとなりました。

 

 一方、オンラインを日常事として使うようになったことで、連携協で実施している研修や発表も国内ばかりでなく国際的にも参加できるようになりました。昨年、連携協はアジア太平洋地域科学館協会(ASPAC)に加盟したため、連携協の会員はだれでもASPACの研修会やセッションに参加することが可能です。国外の科学館の活動について情報を得て自館の活動に役立てていただくほか、皆様の地域からアジア太平洋諸国の科学館への情報発信も可能になりました。皆様の様々な活動や地域貢献を、国内のみならず海外に発信していくための優れたツールになると期待しています。

 

 現在、私は日本科学未来館名誉館長として連携協に携わっています。日本科学未来館の運営からは離れて全国の科学館事業の視点で、新しい連携協づくりを皆様とともに推進し、その過程で、地域の科学館から日本の活性化を推進していければと改めて思い描いています。

 

 なお、4月より連携協の事務局長は冨田知宏から佐々木隆に交代しましたのでお知らせします。これからの新しい活動計画は追って総会・幹事会やホームページを通じてお伝えしたいと思います。連携協を通じて様々なつながりを広げ、世界の未来が少しでも明るくなるように一緒に努力してゆきましょう。

 

2022年4月1日

全国科学館連携協議会 会長

 

毛利 衛

全国科学館連携協議会

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