家の中のおじゃま虫 (実施報告)

本展示についてご提出いただいた展示物実施報告書から活用例を抜粋して共有いたします。

春日部市粕壁市民センター(中央公民館)

■展示期間:2024年7月23日(火)~7月28日(日)

■入場者の展示物に対する反応

来場者アンケートから

・とても大きなゴキブリがいるとはおもいませんでした。たのしかったです。

・ゴキブリの脱皮シーンがとてもよかったです。

・G がすごかった… ダニも見られてよかったです。

・ゴキブリを360°から見られておもしろかったです。

・ダニの小さいのから大きいのまでおもしろかった。

・顔当てクイズが面白かった。容器に入ったゴキブリも!

・ゴキブリも見られたし、ゴキブリの産卵やうか、だっぴが見られて楽しかった。

・『へーっ』がたくさんあっておもしろかったです。確かにクワガタ、カブトも家の中にうじゃうじゃいたら、いやだわ

・いろいろな虫のひょうほんをはじめてみた。

・普通は見られない物が見られて、楽しかった。

・リアリティ満載でよかった。

■科学館としての意見・感想、また展示について工夫したことがあれば教えてください。

「家の中のおじゃま虫」というテーマに興味を持ち実施を決めたものの、届いた標本などを見ても、はたして来場者の反応はどうだろうと少々心配でした。

DVDは、来場者個々の感性を考慮して、見たい人だけが見ることができるように、モニター前に衝立を立てて常時放映することにしました。

しかし、親子で標本を手に取って楽しそうに観察しているところを見ると反応は良好で、DVDも多数の人に鑑賞していただき安心しました。

アンケートでも不快だったという声は、全くありませんでした。

当館では、『夏休み科学展「身近な虫たち」』として埼玉県生態系保護協会春日部支部の協力を仰ぎ、「自然の中で働く虫たち」と「家の中のおじゃま虫」という二つのテーマで会場を作り、どちらも自然界に必要な同じ生き物なのだということを理解してもらうようにしました。

また、夏休み企画なので、会場に昆虫ぬりえ、おりがみ、ペーパークラフト、昆虫つり、昆虫図鑑などを用意し、親子で楽しんでいただく工夫をしました。アンケートにもあるように、顔当てクイズのような参加型の要素があると喜ばれるようです。

標本などは、私たちの手で作成することは難しく、身近な公民館で専門的な資料を目にすることができる良い機会となりました。今後も巡回資料を利用し、展示内容の趣旨に沿って内容を膨らませ有意義な催しにする工夫をしていきたいと思います。

■展示配置イメージ

■展示状況写真

つくばエキスポセンター

■展示期間:2024年9月7日(土)~10月27日(日)

■入場者の展示物に対する反応

扱っているのがゴキブリやダニなどの害虫であるため、苦手に感じる方も多いのではないかと予想していたが、展示してみると興味を持って見学していく来館者が多かった。

また、「おじゃま虫」というタイトルのかわいらしさが、害虫に対する嫌悪感をやわらげていたようで、タイトルパネルに興味を持って展示スペースに近づく様子がたびたび見られた。

実物標本の展示の中では特に、マダガスカルオオゴキブリの標本は、日本に生息していない種類で大きさも十分あったので、「こんな大きな(派手な柄の)ゴキブリもいるんだって」などと家族で話しながら見学している様子が見られた。

液浸標本の吸血したマダニの大きさもインパクトが強く、「こんなに大きくなるんだ!」と来館者が驚いている場面もあった。

パネルについては、「害虫顔当てクイズ」のパネルのあみだくじを体験する方が多く見られた。

その他のパネルや動画、書籍「きらいになれない害虫図鑑(有吉立著)」は、時折じっくりと見ている来館者の姿が見受けられた。

■展示物に対する意見・感想

身近にいる様々な害虫をとりあげるというコンセプトがよく、またタイトルの響きの良さも相まって、来館者にも興味を持って見学してもらえていたようだった。

マダガスカルオオゴキブリの実物標本や脱皮直後のゴキブリの映像など、なかなか見られない姿を通して、害虫(特にゴキブリ)への興味や知識を深めてもらえたと感じている。

ダニやシラミの液浸標本については、当初は展示していたが、来館者が落として破損したり、無理やり開封されてしまったりするトラブルがあったため、期間の途中で展示を取りやめることとなった。

液体の中で標本が沈んでしまうので、手に取って観察できる形で置いていたが、直接さわらなくてもよく観察できるようにする展示方法の工夫が必要だったと考えられる。

※24年度はこのまま液浸標本を貸し出します。25年度にアクリル標本に差し替え予定です。(事務局より)

■展示配置イメージ

■展示状況写真

原子力科学館

■展示期間:2025年5月17日(土)~6月8日(日)

■入場者の展示物に対する反応

・ 人々から忌み嫌われている生き物「害虫」も、自然界にはなくてはならない生物である。太古より宿主の生物と共生し天敵と闘いながら進化してきた害虫や、家の中に発生する害虫の生態とは? 屋内に潜む害虫の種類や特徴、人体への影響についてわかりやすく紹介し、ご理解していただいた。

・「非常に良かった」「良かった」「あまり良くなかった」「悪かった」の4択でアンケートをとった結果、回答者20名中9名が「非常に良かった」、10名が「良かった」、未回答1名で、すべて肯定的回答であった。主なコメントは以下の通り。

  普段見られない光景を見ることができて、非常に良かった。

  家にいるゴキブリがワモンゴキブリであることがわかった。でもリアルで怖かった。

  子供達が虫について知ることができて良かった。

  身近な虫なので興味がわいた。

■科学館としての意見・感想、また展示について工夫したことがあれば教えてください。

巡回展「家の中のおじゃま虫」の開催に関連して、児童生徒の科学に対する興味関心の醸成を目的に講演会を6月8日(日)に開催した。

県内の水族館飼育員を講師に招聘し「ハダムシ!? ~魚に寄生するハダムシとは~」と題して、水族館の水槽で飼育している魚類に寄生するハダムシに関し、その生態と生殖、宿主への影響などについてクイズを盛り込みながら、楽しくわかりやすくおはなしいただいた。

内容は、ハダムシの分類、大きさや特徴のおはなしから始まり、博物館ラボから双眼実体顕微鏡を十数台ご持参いただき、飼育しているマンボウから淡水除去したハダムシの個体を参加者に観察していただいた。特に3つの吸盤で宿主に強く付着できている特徴や、宿主から栄養を吸収する機能について分かり易く教えていただいた。また、水槽内のロープに産み付けられたハダムシの卵を顕微鏡観察し、マンボウの表皮から浸透圧の原理で淡水除去する動画など、水族館関係者でしか得られない貴重な情報をご提供いただき、参加者から大きな反響を得ていた。

■展示状況写真

全国科学館連携協議会

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